眼底・網膜 疾患|白内障

白内障

2017.05.26


眼の中には「水晶体」というカメラで言うところのレンズの役割を果たす器官があります。

水晶体は、ほぼ無色透明で「皮質」「核」という組織が「嚢(のう)」という薄い膜に包まれています。
この水晶体が何らかの原因で濁る事を白内障と言います。
白内障 濁り スリット画像
白内障になると以下のような症状が出ます。
・視力低下
・かすんで見える
・眩しく見える
・二重、三重にだぶって見える。

白内障は「加齢性白内障」、風疹などの「先天性白内障」、アトピー性皮膚炎など「全身疾患に合併する白内障」、目のケガによる「外傷性白内障」、ぶどう膜炎などの眼病での「併発白内障」、その他に「放射線や薬剤(ステロイド剤)による白内障」があります。
白内障は水晶体に含まれているタンパク質が上記のような酸化ストレスを受けて変質することです。
この酸化ストレスの多くは加齢によるものですが、ケガや病気、紫外線などの影響も酸化ストレスなのです。
分かりやすい例で言うと、「生卵(タンパク質)に熱(酸化ストレス)を加えると硬く白いゆで卵に変質する」というものです。

水晶体の濁り方は、「皮質性白内障」、「核性白内障」、「後嚢下白内障」の3種類あります。
「皮質性白内障」は周辺部から中心に向かって濁り始めます。この場合、中心部の核の透明度を維持できれば視力は保たれることが多いです。濁りが中心部まで進行してくると、眩しい・かすんで見える、といった自覚症状が出てきます。

「核性白内障」は水晶体中心部の核から濁りが始まります。そうすると水晶体が膨らみ厚くなるため近視化がどんどん進みます。一時的に近くが見やすくなることがありますが急激に視力は低下します。その後、眼がかすむようになり全体的に遠くも近くも見えにくくなります。中心部が濁っているため眼鏡やコンタクトレンズでは安定した視力は得られません。ごく初期の段階では分かりにくいことがあります。

「後嚢下(こうのうか)白内障」は水晶体の後ろにある後嚢の皮質が濁ってくるため、かすんで見える感じが他の白内障よりも強く進行が速い。白内障が急に進行して緑内障の発作などの併発症を起こすことがあります。

治療方法は、目薬で白濁の進行を抑えるか、手術によって水晶体を取り除く事です。
一度白くなると目薬では元に戻す事が出来ませんので、手術によって水晶体を取り除くしかありません。
水晶体を取り除くと、ピントを合わせる調節機能が無くなるので、水晶体の代わりになる人工レンズを挿入します。
この人口レンズによって手術後の見え方(遠くを優先するのか、近くを優先するのか、それとも中間か)を調整出来るので、昔のように分厚い眼鏡を掛ける必要がなくなることもあります。

手術のタイミングは「日常生活に不自由を感じるかどうか」、「必要としている視力はどれくらいか」など、人それぞれですので医師と相談して決めるのが良いでしょう。

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