屈折・調整異常|眼底・網膜 疾患

視野の重要性

2018.04.03
視野異常 網膜症

「視野」とはおおまかに言うと、目を動かさないで見える範囲の事です。

この視野の中で最も感度の高い「中心視」と呼ばれるところのところ見る能力を「視力」と言います。

視野 見える範囲 目を動かさないで一点を見る固視点を中心として、約30度以内の視野を「中心視野」それよりも外側を「周辺視野」と言います。中心視野は解像度が高く細かな違いを判別する事ができますが、周辺視野は解像度が低くなり、大まかな動きの判別になります。動いている状態では、速度が速くなるほど視野は狭くなり、視力も低下するため、周辺の状況判断が難しくなります。

普段、両目で見ている時は、左右の目の網膜に映った像を、脳が組み合わせて1つの像として認識します。それぞれの像の微妙な違いにより立体的に見えたり奥行きを感じられます。これを「融像作用」と言います。もし、片方の視力や視野に異常があったとしても、見えていない部分をカバーしてしまう事があるため変化に気が付きにくいのです。

今注目されているのは、「視野が狭くなっているという事に気が付いていない状態での車の運転」で、歩行者や左折時の自動2輪が見落とすなど、非常に大きな危険が伴う可能性があるということです。
視力が免許取得に必要な
規定を超えていても、走行時は視野がいっそう狭くなり、集中力の低下や周辺の状況判断に大きな遅れが出る事があります。
自分の視野に異常がないかを知ることは大切です。

現在、眼底画像を3次元解析する3D-OCTにより検査の精度が上がり、視野検査の機器もコンパクトで時間も短縮されています。技術の進歩によって「緑内障」「黄斑変性」「網膜症」など視野に影響を及ぼす病気の早期発見につながっています。一度失った視野は元には戻りませんが、症状の進行を抑えることは不可能ではありません。


視野障害 イメージ

自分の眼の状態をしっかりと把握しておくことが非常に大切です。
40歳を過ぎたら年に1回は眼科専門医による眼底検査を受けることをおすすめします。